[MLB短評]Spice Boys

Kevin Youkilis says he’s proud to be a member of the New York Yankees – ESPN New York (2013/2/15)
http://msn.foxsports.com/mlb/story/former-boston-red-sox-kevin-youkilis-says-heart-is-with-new-york-yankees-021513 (2013/2/15)
Los Angeles Angels’ Josh Hamilton says Dallas-Forth Worth ‘not true baseball town’ – ESPN Dallas (2013/2/19)

アメリカのスポーツ界でも屈指のライバル関係である、ボストン・レッドソックスからニューヨーク・ヤンキーズへ移籍した選手は、ベーブ・ルース以来これまでに何人もいます。そのリストに今年ケビン・ユーキリスが加わりました。ユーキリスは昨年6月末、惜しまれながらもレッドソックスからシカゴ・ホワイトソックスへトレードされた後、今年からヤンキーズの一員になります。

もともとユーキリスはヤンキーズの選手、特にジャバ・チェンバレンとの不仲の関係にありました。チェンバレンが何度もユーキリスに対してボールを当てたことがあるためです。それほどまでに、ユーキリスはヤンキーズにとって、そしてヤンキーズファンにとっての目の敵でもありました。

そのユーキリスがキャンプイン早々(2月14日)に、このような発言をしたことがヤンキーズファンの怒りを誘うのに十分なものになりました。

“I’ll always be a Red Sock. To negate all the years I played for the Boston Red Sox, and all the tradition, you look at all the stuff I have piled up at my house and to say I’d just throw it out the window, it’s not true. Those were great years in Boston. One bad half-year doesn’t take away from all the great years I had there.

この”always be a Red Sock”との発言は、ヤンキーズファンにとり何を言わんや、というところでしょう。

しかし、ユーキリスはいわゆる失言をしたわけではありません。ユーキリスはこの最初の文だけが独り歩きしていることを心配し、翌日にはこの発言が意味するところを説明せざるを得ませんでした。

I was basically defining that, as a player, I’ll be a Red Sox, and a White Sox, and a Yankee for life. Three storied franchises. I’m excited to be part of this, and be with the Yankees. ‘Trust me, there’s no way that was meant to say my heart is in Boston or anything like that. My heart is here with the Yankees.

そう、ヤンキーズのユーキリスは別にレッドソックスが恋しくあのような発言をしたわけではありません。かつてレッドソックスやホワイトソックスという歴史あるチームに在籍していたこと、そして今はやはり歴史あるヤンキーズに在籍していることへの喜びを語っただけです。

ただ、ヤンキーズファンはレッドソックス、ボストンという言葉に非常に敏感に反応します。それにメディアも少し乗っかったところはあるでしょう。それほどにヤンキーズとレッドソックスのライバル関係は歴史的にも強いものだと感じさせてくれます。

一方、長年続くライバル関係とは逆に、テキサス・レンジャーズとロサンゼルス・エンジェルズとのそれは比較的新しいものです。特にレンジャーズが優勝を狙えるパワーチームになって以降、その関係が一気に強くなりました。そして、2011年オフのC.J・ウィルソン、2012年のジョシュ・ハミルトンがレンジャーズからエンジェルズへ移籍したことが、ライバル関係を加速させたように感じます。

そのハミルトンが、ダラス・フォートワースの地元局とのインタビューに対して、「テキサスには熱心なファンがいるが、本当の野球の街ではなく、フットボールの街だ」と発言しました。さらにこう続きます。

They’re supportive, but they also got a little spoiled at the same time pretty quickly. You think about three to four years ago (before two straight World Series appearances in 2010 and 2011). It’s like, come on man, are you happier there again?

確かに3-4年前のレンジャーズのスタジアムでの試合を見ると、あの巨大なスタジアムを持て余すかの空席の多さが印象的でした。その後、いざチームが強くなると、あのスタジアムがローマのコロシアムに変わったかのような威圧感を帯びるようになりました。その意味では、ファンは”supportive”と言えます。しかし、ハミルトンは昨シーズン、絶好調だった前半とは対照的に、後半に調子を落とし、さらにオークランド・アスレチックスとのシーズン最終戦ではフライを落球し、ワイルドカード・プレイオフでもボルティモア・オリオールズ相手に抑えこまれました。

ハミルトンは数々の私的な問題を抱えながらもテキサスの地にやってきて、MVPクラスのチームへの貢献をし、レンジャーズの顔にまでなりました。そこにはレンジャーズのファンの助けが大きかったはずですが、昨シーズンの終盤に関していえば、レンジャーズとハミルトン、ハミルトンとレンジャーズファンとの間に隙間風が生まれました。こうした状況が、エンジェルズのハミルトンに「テキサスは野球の街ではない」という発言を産んだのかもしれません。

ハミルトンとエンジェルズは4月5日にアーリントンでレンジャーズと対戦します。ハミルトンはそのときにファンが複雑な反応を見せるのではないかと見ています。

It will be mixed feelings from the crowd. People who really get it will cheer and the people who don’t will boo. Either way, I’ll do what I got to do to help my team win.

ユーキリスとハミルトン両方に共通しているのは、どちらも間違った発言をしたとは考えていない点です。もちろん、ユーキリスのように誤解を生まないためにも詳しく説明する必要があったこともまた事実です。しかし、彼らは自身の思うことをそのまま述べただけであり、メディアはそれを取り上げただけです。これを失言かどうかと考えるのは受け手(つまりファン)です。

そして、まだシーズンが始まる前にも関わらず、こうした発言が両チームのライバル関係にスパイスを与えることは間違いないでしょう。

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