Richard Sherman: I played through a concussion and it paid off

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[NFL短評]Safety first?

Barack Obama is Not Pleased | New Republic (2013/1/27)President Obama unsure if he'd let son play football – NFL.com (2013/1/27)
Ravens’ Pollard: NFL really does stand for Not For Long – CBSSports.com (2013/1/25)
Jay Cutler of Chicago Bears fiancee Kristin Cavallari doesn’t want son to play football – ESPN Chicago (2013/1/28)
San Francisco 49ers respond to President Barack Obama’s concerns – NFL News | FOX Sports on MSN (2013/1/28)
NFL JAPAN.COM|話題のオバマ大統領の発言、Sリード「オバマを支持する」 (2013/1/30)

自分には戦後にアメリカのGIと結婚したおばがいます。確か自分が高校生の頃だったと思いますが、そのおばがその旦那と共に日本へ一時帰国しました。その頃、NFLにハマりだしていた自分は、そのおばに大学に入ったらフットボールをやりたいと話しました。高校にはアメリカンフットボール部はありませんでした。そうすると、おばは「あんな危険なスポーツはやめときなさい。ものすごい大怪我をして車椅子になった人だっているんだから」と猛反対しました。もちろんその当時、自分もそのような選手がいたことは知っていましたが、テレビで見ていて自分もやってみたいという願望は強かったのを覚えています。だた、おばの助言を守ったわけではないのですが、結局いろいろあって大学に入ってからフットボール部に入ることはなく、今に至っています。

そのおばとの会話の頃、NFLは今よりも安全性について考えているとは思えない環境でした。スポーツと脳震盪の因果関係の研究もそれほど進んでおらず、スタジアムの多くはまだ人工芝で、コンクリートの上に人工芝を敷いたようなスタジアムがあったほどです。今思えば、あのような環境下で選手たちはよくも恐れをなさずにプレイしていたと思います。

それから月日は経ち、スタジアムの多くは天然芝あるいは強い衝撃が出ない人工芝へ変わりました。防具の軽量化と安全性が高まりました。最初のうちには乗り気ではなかったNFLは、脳震盪の問題に対しての援助を行うようになりました。そしてリーグはハードヒットに対してのペナルティを積極的に課すことで、より安全なフットボールを打ち出そうとしています。

そのような中、オバマ大統領が雑誌”New Republic”と行ったインタビューにおいて行った発言が話題になっています。「ゲームが選手に与える影響を考えて、大統領はファンとしてフットボールを見ることにそれほそ楽しみを見出していないように感じますが」という記者の問いに対して、このように答えています。

I’m a big football fan, but I have to tell you if I had a son, I’d have to think long and hard before I let him play football. And I think that those of us who love the sport are going to have to wrestle with the fact that it will probably change gradually to try to reduce some of the violence. In some cases, that may make it a little bit less exciting, but it will be a whole lot better for the players, and those of us who are fans maybe won’t have to examine our consciences quite as much.

I tend to be more worried about college players than NFL players in the sense that the NFL players have a union, they’re grown men, they can make some of these decisions on their own, and most of them are well-compensated for the violence they do to their bodies. You read some of these stories about college players who undergo some of these same problems with concussions and so forth and then have nothing to fall back on. That’s something that I’d like to see the NCAA think about.

フットボールの大ファンであるという、ふたりの娘の父親である大統領は、もし息子がいたとしたら、フットボールをやらせる前にじっくりと考えさせる、というのです。それはフットボールの暴力的な面と、それが生み出す脳震盪のような結果を考えたゆえだというのが大統領の考えです。

このインタビューが出される少し前、ボルティモア・レイブンズのセーフティ、バーナード・ポラードがCBSスポーツとのインタビューの中で、「NFLはこのままでは30年後には今のような状態で存在し得ないかもしれない」と自らの意見を述べました。ポラードはリーグは選手の安全を考えた対策を講じて正しい方向へ向かう一方、コーチはその逆の道を歩んでいるとしています。

[Coaches] want bigger, stronger and faster year in and year out. And that means you’re going to keep getting big hits and concussions and blown-out knees. The only thing I’m waiting for … and, Lord, I hope it doesn’t happen … is a guy dying on the field. We’ve had everything else happen there except for a death. We understand what we signed up for, and it sucks

この発言が、2ヶ月前に「フィールド外へ走り出ることができないQBを仕留めていくつもりだ」と言った選手と同じ人物が行っているとは考えにくいのですが、ポラードは、コーチが大きさ、強さ、俊敏さを選手に求めるあまり、それが安全性向上に努めるリーグの動きと反していると考えています。そしてその中でポラードが待つべきことは、選手の誰かがフィールド上で死ぬことだとまで言っています。

ポラードの意見は、オバマ大統領の発言が出て以降さらに脚光を浴びることになりました。そしてポラードや大統領の意見のように呼応する動きがNFLの中から起こりました。シカゴ・ベアーズのQBジェイ・カトラーのフィアンセは、息子にはフットボールをやらせたくないと言い、ポラードのチームメイトであるエド・リードも、自分の息子に自分からフットボールをやるように勧めることはしないと話しています。

ポラードやリードは、フットボールのポジションの中でも特にスピードを生かしたハードヒットをすることを要求されるポジションに属します。その場合に双方の選手の体に受ける衝撃は高いものです。そうした選手からこれらの発言が出ることは興味深いと思います。ポラードがいうように、彼らはそれを生業とし、そうしたプレイをするためにチームと契約していますが、その一方で自らの経験から、こうした意見が出るのでしょう。

その一方で、レイブンズとスーパーボウルで対戦するサンフランシスコ・49ersの選手からは、「フットボールはフィジカルなゲームであるべきだ」という意見が多く出ました。確かにフットボールは危険なスポーツではあるけど、それによって自分の息子にそのゲームを諦めさせるほどのことはないという意見もあります。別にこれはレイブンズの選手に対抗した発言ではなく、多くの選手やコーチの中でも、自らの息子にフットボールを勧めるかどうかの意見は分かれているとされています。中には、ポラードやリードの上司にあたる、レイブンズのジョン・ハーボーヘッドコーチは、「(フットボールは)若者だけでなく私のような人物にも、人として成長するチャンスをくれる。フットボールのように挑戦しがいがあってタフでハードな競技は、他にない」と言い切っています。

正直なところ、結婚もしてない、ましてや子供がいない自分ですら、どちらの意見もすごくわかります。ただ、どちらにも言えるのは、子供にどのような成長を望むのかということです。かつてはハーボーHCのような、フットボールをプレイすることで得られるチャレンジ精神や、集団スポーツを通じて得られる規律、日本的に言えば「しつけ」を身につけて欲しい考えのほうが強かったのではないかと思います。フットボールはフィジカルなスポーツ、もっと端的に言えば「マッチョ」なスポーツであり、それがアメリカ的な側面を持っています。息子を持つアメリカの多くの親は、その息子に他のスポーツと共にフットボールをプレイさせることで、精神的な強さと規律を学んで欲しい、そう望んできましたし、今でもれを望む親は多いはずです。

しかし、フィジカルゆえに発生するフットボールの身体や、特に脳に与える危険性が科学の発達に伴い明らかになってきました。そこから大統領やリードのように自分の息子にはフットボールを勧めないという考えや、ポラードのようにNFLの将来を心配する声が出てきたように感じます。そのことは決して悪いことではありませんし、精神的と身体的な健康は両立してこそ成り立つものです。

何度も書くように、フットボールは他のスポーツと比べても数段もフィジカルなスポーツです。そうだからこそ得られるものがあるのか、そうだからこそ失ってしまうものがあるのか、この議論には勝者も敗者はないですし、必ずしも白黒つける問題ではありません。ただ、アメリカ国民のトップが、アメリカで最大のスポーツイベントの約1週間前に、このような問題提起を行ったことは、非常に興味深いことです。

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