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[MLB短評]Bryce is Right!

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Nationals vs. Dodgers: Bryce Harper dazzles, Los Angeles wins in 10(Washington Post)
Harper makes much-anticipated MLB debut(MLB.com)
Harper’s debut doesn’t put him in Cooperstown, but shows he can play(CBS Sports)
Phenom Harper shows youth, brilliance in major league debut(SI.com)

今シーズンのメジャーリーグ開幕前の話題の一つは、ナショナルズのブライス・ハーパーは新人王を獲る、問題はいつメジャーリーグに上がってくるのか、ということでした。ナショナルズは2010年のドラフトトップで、また19歳の本当に若い選手をメジャーリーグに早く上げることを避けました。それはメジャー昇進が早くなればなるほど、ハーパーがフリーエージェントの権利も早く得ることができるからでした。それだけ丁寧に扱わなければならない大物です。

そして現在のチームの顔であるライアン・ジマーマンがケガにより登録枠を外れたことで、ナショナルズの登録選手枠に空きができた4月28日、その日が来ました(いずれはジマーマンとハーパーが主軸となり今年好調のナショナルズを優勝戦線へ導かなれけばならないでしょう)。すぐさまハーパーはロサンゼルスで行われたドジャーズ戦で先発7番レフトで出場しました。試合開始前から、報道陣がハーパーを取り囲み取材する姿も見られましたが、ルーキーであってもここまでの注目度が出ることはまれなことです。それを見たデービー・ジョンソン監督は、かつてメッツ時代に同じく19歳でデビューしたドワイト・グッデンのデビューの日と比較しながらも「ここまでのカメラの数を見たことがない」と言っています。

それでもハーパーは全く緊張していなかったと試合後このように語っています。それは父親に試合前「これはこれまで行ってきたいつもの試合と同じなんだ」と言い聞かされたからなのか、大物だからこその余裕なのでしょうか。

I didn’t have butterflies at all, really. It was the first time I didn’t get butterflies. I was talking to [Adam] LaRoche before the game. I told him, ‘Hey, I’m really calm right now.’ I wasn’t upbeat or anything like that. I was pretty calm. I was trying to look for my pitch and get into some good counts.

2回表にハーパーの第1打席が巡って来ました。「本日メジャーリーグデビューのブライス・ハーパー」とのアナウンスが響く中、ハーパーは観客からはブーイングを浴びました。このようなことですらメジャーリーグのルーキー、それも第1打席にしては珍しいどころか、過去そんなことあったのかなと思えるほどのことです(それにはハーパーの実力がすごいことだけでなく、これまでの自信に溢れた、あるいはこれまでの言動からふてぶてしい態度とも受けとれられるものが反映されていたと思います)。結果はドジャーズの先発チャド・ビリングズリーへの平凡なゴロアウトでした。しかしあまりにも簡単に処理できるゴロだったからか、ビリングズリーはかなり余裕を持ちながら1塁へボールを投げました。その左からハーパーは全速力で走って来ました。それでもハーパーはアウトになりましたが、この姿を見ただけで、この選手はなにか違うものを持ってるではないかと思わせる、今シーズン最も興奮する平凡な打席でした。

第2打席はフライアウトで終わりますが、7回がこの時点でハーパーがどれだけすごい選手かを証明するための時間でした。ナショナルズが1点先制後に迎えた第3打席で、ハーパーは高めのボール球を強打して、センターで今シーズンの(早くも)MVP候補であるマット・ケンプの頭上を超える二塁打を放ちました。これが順調に行けば引退までに4桁どころか3,000本達成するであろう選手の第一歩です。

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そしてその裏、今度はハーパーは強肩であることも見せつけました。1アウト1・2塁でA・Jエリスがレフト前へヒットを放ち、2塁ランナーはホームへ生還しようとします。そこで捕球したハーパーは、ホームへノーバウンドのストライクを返球しました。これは完全にアウトでした。捕手のウィルソン・ラモスが落球しなければ、アウトでした。これにより試合は同点になりましたが、それでも、このプレイだけでこれから対戦するチームは、これを見て慄いたはずです。そしてテレビ中継ではホームへ返球した後のハーパーの姿を捉えていましたが、この姿もまたどうだと言わんばかりに自信溢れた姿でした。ちなみにハーパーは翌日のドジャーズ戦では、センターの守備でフェンスに当たりながらもフライを確保しています。

でも、7回裏のラモスの落球がなければ、9回表にハーパーが初打点となるレフトへの犠牲フライもなかったかもしれません。この時は、メジャー昇格初日にしてこのような場面で打席が巡ってくるハーパーは何かを持ってるのだと確信させられたことでしょう。同時に、この試合のヒーローは間違いなくハーパーだと思ったはずです。その裏にクローザーのヘンリー・ロドリゲスが不調に陥り、捕手のラモスがボールを後ろに逸らして同点となる失点を許すまでは。

結局、この試合は10回裏にケンプがセンターへサヨナラHRを放ち試合が決着しました。ホームベースを取り囲む選手たちと満員の観客席からのMVPコールの中、飛び跳ねながら試合を締める着地を決めたケンプは、ハーパーにこれがメジャーリーグで生き残るためにはこのような勝負強さが必要なんだぞと教えつけたようにも思えました。

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本人は心を落ち着かせながらも、間違いなく人生の中で最も重要な1日のひとつを終えたハーパーは、試合後のコメントもルーキーではなくふつうのメジャーリーガーになっていました。

I wish we would have gotten the W, of course. We played a great team today. Billingsley threw a great game. We fought until the end. That’s not the way you want to start off your career. I just wish we got a W.

ハーパーはたまたま登録枠が空いた中でメジャー昇格を果たしたこともあり、ジマーマンが復帰してからの動向はまだわかりません。現在の予定ではまたマイナーに降格させられることになっています(そうしなければフリーエージェント権の獲得時期に関わるからです)。ハーパーは5日くらいしなければメジャーリーグが何かはわからないと答えていますが、それでもハーパーは若すぎることや技術面に対する周囲の疑問に対して1日でその一部に対して答えることができたのかもしれません。

同時に、メジャーリーグはこの大物新人選手のデビューに喜んでいるはずです。それはこの日の先発だったスティーブン・ストラスバーグのように、その動向を追いかけられる「本当の意味」でのルーキー、つまり海外から来た1年目の選手ではなく、アマチュアドラフトとマイナーでの経験を見てきた上で、メジャー昇格を果たした大物選手の成長を見続けていくことができる選手が欲しかったはずです。現在でもメジャーリーグの顔と呼べる選手は数多くいますが、現在のメジャーリーグにはジェレミー・リンやティム・ティーボウのような選手がいません。その意味では、ナショナルズだけでなくメジャーリーグは、19歳のハーパーが選手として、またひとりの人間として、どのような活躍と成長を果たしていくのかに期待を掛けているに違いありません。

なっきぃ、パイパイだね、なっきぃ!!

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